怪盗ルパン翻訳史

最初の紹介者

 誰が最初にルパンを紹介したか、ということについては諸説あるが、ここでは伊藤秀雄氏の調べを中心にまとめている。
最初に紹介した訳者が特定しにくいのは、初期の翻訳は森下流仏楼(モーリス・ルブランのもじり)など匿名性の高い筆名で行われたり、主人公もなじみやすいよう日本名にもじってあったりすること、原典の明らかではない大幅な翻案作品がルパンものに限らず多数存在したことなどに原因が求められるだろう。
 ちなみに活字倶楽部から出ている長谷部史親『欧米推理小説翻訳史』(本の雑誌社、1992年)によれば、ルパンという名前自体を日本に初めて紹介したのは上田敏だったという話しもある。

西暦 原題 邦題 翻訳者名 出版社 備考
1909 LA PERLE NOIR 巴里探偵奇譚
泥棒の泥棒
森下流仏楼
(安成貞雄?)
「サンデー」掲載
1910 ARESEN LUPIN 予告の大盗 馬岳隠士 「サンデー」掲載
1911 ARESEN LUPIN 予告の大盗 清風堂主人 万里堂 榊原晃三はこの作品を日本ではじめてルパンを紹介した作品だと書いている。
1912 813 古城の秘密 三津木春影 武侠世界社 松村善雄・木村毅はこの作品を日本ではじめてルパンを紹介した作品だと書いている。
1912 ARESENE LUPIN CONTRE HERROCK SHOLMES,
`LA LAMPE JUIVE`
春日燈籠 清風堂主人 万里堂?
1913 L`AIGUILLE CREUSE 大宝窟王 三津木春影 酒井芳文堂

翻訳ブーム到来
 1918年から1924年にかけては、ルパンもの翻訳ブームであったのか、金剛社「アルセーヌ・ルパン叢書」、白水社「近代世界快著叢書」をはじめ相次いで翻訳書や叢書が出ています。残念なのは、なかなか予定通り全巻発行されている叢書がないことだ。
 この6年間で最も多く翻訳されたのは`LE BOUCHON DE CRISTAL` で、4つの翻訳が出ており、ついで`ARESENE LUPIN GENTLEMAN-CAMBRIOLEUR`と`L`AIGUILLE CREUSE`の3つの訳が出ている。

原題 西暦 邦題 翻訳者名 出版社
LE BOUCHON DE CRISTAL 1918 死の連判状 保篠龍緒 金剛社
1918 二重眼鏡の秘密 福岡雄川 白水社
1921 水晶の栓 保篠龍緒 博文社
1924 水晶の栓 佐々木茂・高橋邦太郎 随筆社
日本への影響 翻訳史 原題・邦題 6つの罪 ライバル達 推理法 プロフィール
外国 舞台化・映像化 参考文献 お勧め作品 同好会会合レポート リンク集  
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