ルパンのライバルたち・3
ガニマール
ルパンを一番敵対視しているのはガニマールだ。ルパンを追いかける老獪な警部である。
ルパンシリーズの第一作『怪盗ルパンの逮捕』でルパンを逮捕するのがガニマール刑事だ。
しかし、ルパンの方では余り脅威を感じていない。
『ルパンの脱獄』でも『赤い絹のスカーフ』でも、ルパンはガニマールをうまく利用して目的を達成している。
そうやってガニマールをおちょくり地団太踏ませているルパンだが、ガニマールに対するときの彼の口調や振る舞いには、かすかな友情が混じっているように思われる。
一方ガニマールのほうもルパンに一目置いており、「白鳥の首のエディス」では、「ルパンが人を殺すような真似をするはずがない」という信念から真相に辿り着く。
実際ガニマールはルパンには手玉に取られるとは言え、探偵として無能ではない。
『奇岩城』では「ガニマールなんて怖くはないさ」といいながらも、ショメルスと一緒に誘拐して船に閉じ込めているくらいだから、全く相手にしていないというわけでもないのだろう。
いずれにせよルパンのライバル役として最も登場回数が多いのは間違いない。
登場作品
『怪盗紳士ルパン』
『ルパン対ヘルロック・ショメルス』
『奇岩城』
『ルパンの告白』ほか
本文より
ガニマールは、その捜査方法をもって一派をなし、その名が司法史上に残るような、そんな偉大な警察官のひとりではない。彼には、デュパンやルコックやシャーロック・ホームズ級の人々を輝かしているあの天才のきらめきが欠けている。しかし、観察・聡明・忍耐、さらには直観さえもの、平均的な能力は立派に持っている。彼の真価は、絶対的な独立性を持って行動することにある。おそらく、アルセーヌ・リュパンが彼に対して及ぼす一種の幻惑以外には、何物も彼をかき乱したり、彼に影響を与えたりするものはないのだ。
(『リュパン対ホームズ』石川 湧訳、創元推理文庫、p54―55)
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